うつ病の夫と暮らす日記

夫がうつ病になり、諸手続きに奮闘する日記です。

躁うつと抑うつ

  

夫がうつ病になって一番最初にしんどかったことが

抑うつ特有のアレです。

 

ここで「躁うつ(そううつ)」と「抑うつ(よくうつ)」

の違いについてなんですけど

 

いまだに病名としてどのように表記するのが正しいのか

わかっていません。

ご存知の方いらっしゃいましたら教えてください。

 

夫は「抑うつ」です。

診断書には「抑うつ状態」などと書かれています。

 

実は私には「躁うつ」を患ってしまった身内がいまして

長年、その身内を見て「うつ病」と認識していました。

抑うつ」というものを知らなかったんです。

 

なので夫が「うつ病」と診断された瞬間は、

その身内と同じような症状だと思い込んでしまいました。

 

躁うつと診断されている私の身内の場合、

調子のいいときは本当に明るくよく喋り

調子の悪いときにはいきなり暴れたり、ものを壊したり

時には処方されていた睡眠薬を飲みすぎて朦朧とした状態になり

とんでもない行動をしたりしました。

 

それを20代から何年も家族として目の当たりにしてきたので

夫がその状態になるのかと思うと絶望に似た感覚がありました。

 

でも診断書をよく見てみると

抑うつ状態」

と書かれていて

そこで初めて「抑うつってなんだ?」と思い、検索しました。

 

まぁすごーくすごーく簡単に言っちゃうと

躁うつはいい時も悪い時も気分の波が激しくあるけど

抑うつはその波が起こらなくてずーっと低空飛行してる感じ

ですかね。(個人によって違いますのであくまでも私の考えです)

 

夫が抑うつになって以降、「抑うつってなに?」と人に訊かれると

上記のように答えています。

すごく軽い言い方なので「そんなもんじゃねーよ!」と思われるかもしれないですが

うつを知らない方にはこれくらいじゃないと通じないです。 

 

でもここで問題なのが

「じゃあ抑うつのほうが気分の波がないなら暴れたりしないからその点は躁うつより楽そう」と思われがち。

実際そう言われたこともあります。

 

決してそうではないです。

 

ずーーーーーーーーっと沈んでるんですよ。

笑いもしない、喋りもしない。

これ、本人もキツイのは当たり前だけど

周りにいる人も本当にキツイんです。

 

怒って暴れられても確かに困るんですけどね。

 

だからそもそもどっちが楽とか、そういう考え方してほしくなーい!

 

でもそれを、知らない人に強要はしたくないしできないから

「いやー病気には変わりないから楽ではないよー」

とか言って流してます。オットナぁぁぁ!!!(ドヤ

 

まぁそれは置いといて

 

抑うつってずっと沈んでるから

「どうしてほしい」のかがまったくわからないんです。

何を食べたいのかも

食べさせても美味しいかどうかも

なにか不便があるんじゃないか

体の調子が悪いんじゃないか

 

なにを聞いても、答えてくれませんでした。

まるで私が見えていないかのような

そんな状態が1ヶ月とか続いて

 

仕方がないから心が折れそうになるのをこらえながら

なるべく簡単に食べられるものを作って

ノートに「○○があるから食べてね」って毎日書いて

それを置いて仕事に行って。

 

帰ってきて食べてあるとホッとして、

食べてないと心配で

でも声をかけても返事はなくて。

 

毎日根気強く続けていって

やっと話しかければ少し答えてくれるようになったと思って喜んでいたら

ちょっとしたきっかけでまた沈んで何週間も喋ってくれない。

 

 それを半年くらい続けました。

 

その間にも傷病手当金の申請が必要なので

病院に行かなくてはいけないのですが

行ってくれたのは3回に1回くらいかなぁ。

私が代理で行くことの方が多かったですね。

 

会社に診断書も送らないといけないし、

それもぜーんぶ私がやるしかないですからねぇ…

 

よう頑張ったあのころの私。

 

まぁでもですね。

なにが言いたいかって、「躁うつ」と「抑うつ」は全然違う。

でももっと言いたいのは

 

うつ病って個人個人で全然違います!!!!!

 

ってことです。

 

うつ病になってしまった原因の違いはもちろん、

その人の持って生まれた性格だったり、育ってきた環境だったり

今置かれている環境だったり

趣味とか、嗜好とか

 

そういうもので全然違うんです。

 

ネットや本で調べたらどういうものかはなんとなくわかる。

でもそう書いてあったからって全部当てはまるとは限らない。

 

うつ病患者に、またはうつ病患者の家族に

うつ病ってこういうのでしょ!?」って

ネットや本で得た知識で

もしくは思い込みで

軽々しく言うのはやめてくださると有り難いなって

それを痛感した最初の半年でした。

 

知らないのだから仕方ないと思うし

本でもなんでも理解しようとして調べてくれたんだなっていうことには

感謝の気持ちでいっぱいなんですけどね。

 

 

ネットや本で知ったうつ病の知識は入口だと考えてほしいです。

 

 

ちなみに夫は、抑うつ状態になる前に

一度、適応障害という診断をされています。

 

その際、それに伴い転勤をすることになったので

勤務先のバイトのお姉さんに適応障害になってしまったと伝えたところ

「え?それって甘えじゃん」

と言われたそうです。

私はそれを聞いたときは目の前が眩むくらいの怒りを覚えました。

 

うつ病は甘え」

そういう考え方をする方が現在も多くいることは認識しています。

だからこそ、心の病になってしまったことを

言い出せない人が今も多くいます。

 

思われるのはしゃーない。

ただ、それを本人に言うってちょっとデリカシーなさすぎねぇ?

 

その方はバイトながらもリーダー格で、

立場は違えど夫はその方をとても頼りにしていたので

とてもショックを受けてしまったんですねー

 

その些細な一言が、

ずっと夫の心に刺さってしまっているのは確かです。

 

 

まぁこれはひとつのアレですけど

もし「うつ病」であると打ち明けられたら

先日の宇野くんのように「わからないから言えることがない」とでも

言っていただいた方がよほどありがたいなと、

私個人としては思いました。

 

そのうえで、あそびいこーぜ!とでも言ってやってくれる人がいたら

よかったんだけどなぁ…

 

まぁそんなこと言ってもいなかったんだから仕方ないですけど…(^_^;)